2004-01-01から1年間の記事一覧

041206

三日ほどうまく眠れない日が続いて、それでももちろん朝はやってきて、窓の外ではオリーブの葉が揺れている。そういうときは決まって窓から差し込む朝日がまぶしくて、まともに目を開くことはできない。FMから流れる音楽がひどく頼りなかったり、逆に耳障り…

041113

タマネギを刻んで炒めるというのがどういうわけか無性に好きで、カレーなんてもうほとんどそのためだけに作っているんじゃないかという気がする。当然の帰結として、3食続けたとしても1日でなくなってしまうわけもな量ができてしまうわけで、僕は昨日も今…

041019

また雨が降っている。雨粒が窓ガラスにぶつかる音を聞きながら僕はウイスキーを舐めている。 この前の日曜日に行った海を思い出していた。もうとっくに夏は終わってしまったのに、浜辺には思いのほか人がいてそれぞれにバーベキューをしたり、ジェットスキー…

041007

このごろの僕ときたら、何ひとつ生産的なことはせずに一日一冊ずつ本を読み、あっちやこっちにひっぱられたり出かけたり、そんないい加減な日々を繰り返している。そしてそれにも関わらずストレスをため込んだりしている。誰かが言っていた。夜明けに見る夢…

0409110

昨夜500kmくらい運転して日本海に面した小さな街から帰ってきた。そのまま職場に直行して、ため込んでいた仕事をひどく苦労して済ませ、調子の悪いプリンターの機嫌をうかがいながらプリントアウトして、ポストに滑り込ませたときには、とっくに日付が変わっ…

040907

仁川国際空港はとにかくもう広い。ひょっとするとこの飛行機は浮かんでいる時間よりも、着陸して(あるいは離陸するために)走っている時間の方が長いんじゃないかと思えたりする。 チェックインを済ませ、手荷物検査と出国手続きが終わってしまうと、ひどく…

観念の王国に住むということについて

窓から差し込む朝の光が細かな塵を浮かびあがらせるように、彼女の言葉は僕の心の小さな不安を目に見えるものにした。今から思えば彼女は観念の王国に住んでいたのだ。僕らが住むこの世界の背中合わせとしての観念の王国。そこはこちら側の世界と何ひとつ変…

040604

この冬はずいぶん忙しかったから春になったら少しのんびりしようなんて思っていたけれど、もちろん春には春でやるべきことがたくさん出てくるわけで、一日だけ仕事をさぼって映画館をはしごした以外はとりたてて変わらない日々を過ごしていた。4月が過ぎて…

火曜の電話と水曜の動物園

彼女が電話をかけてくるのは、決まって火曜日の午後だった。そして必ずこう言う。「明日動物園に行きましょう」 「動物園に行くのは水曜日が一番いいのよ」というのが彼女の意見だった。休園日の次の日で動物たちがリラックスしているのだそうだ。 そういう…

040417

屋台の灯りがひとつずつ落とされていき、最後には乾物屋だけが残された。風に揺れる裸電球の下で老女が干したエビやら貝やらの入った箱を片づけている。暗くなったぶん、音と臭いを強くなったような気がする。老女は派手な音を立てながら、箱を何重にも積み…

酔いどれゴンザルヴェスのこと

バーのカウンターに座った僕の向こう側で、酔いどれゴンザルヴェスはトランペットを吹いている。質屋で買ったトランペットの代金の半分はアルバイトで稼いだ金で払った。残りを2回に分けて払う約束だったが、それは7本のジムビームと4本のフォアローゼス…

040213

本州から九州へ渡るローカル線の乗客は7人と1羽の鳩だった。列車はたぶん5両か6両で編成されていたから、全体でいえばもっと多くの人々が乗っていたかもしれない。少なくとも僕が乗り込んだ車両にいたのは7人と1羽だった。 最初僕は鳩には気づかなかっ…

040201

僕は言葉を持っていない。故に、語り得ない。語りの文法を身につけること。思考の型をつくりあげること。それは同じことである。そんなこと、今更、だけど。

040113

長い旅を続ける人々は時に沈没してしまうという。めまぐるしく変わる環境にも慣れ新しいものへの好奇心が薄れはじめたころにそれはやってくる。旅を続ける理由がわからなくなり、自分の行動に意味を見出せなくなる。移動を続けるエネルギーをなくし、変化し…

040109

昨日から頭痛が続いていて、うまくものごとを考えることができない。ぼんやりとしたつかみ所のない目の奥の痛みには頭痛薬も効果がないことは経験が教えてくれる。熱い風呂にゆっくり浸かったり、濃いコーヒーをいれてみたりするけれど、それもうまくいくと…

040103

夜中まで映画を見ていたせいで、目が覚めたときには太陽はもうずっと高いところに昇っていた。この数日、僕は本を読むのに疲れるとビデオで古い映画を観て、映画に飽きると本を読むというような生活をしていた。世界から切り離された振る舞い。非生産的活動…