青い空をしばらく見ていない。

丘の上のストーンサークルにたどりついたときには、細かい雨が降り始めていた。 世界のすべての音を吸い取ってしまうような雨の降り方だった。

知り合いから何年かぶりのメールが来る。 もう何ヶ月も開いていなかったアカウントに大量のスパムと混じって届いていた。 最後に会ったのはもう15年ほども昔のことで、今から考えれば僕も彼女もほんの子どもだった。 そんなことを思い出させるメールの内容だ…

まったくアイルランドらしく、急に雨が降りはじめ、僕は小さなカフェに駆け込む。 昼過ぎで、近所に住んでいるらしい老人が何人かランチをとっている。 店員はときどき彼らに話しかけ、お茶のお代わりを進めたり、誰かの体の具合なんかを訊ねたりしている。 …

僕はまた夜中に古い西部劇を見ている。 ウィスキーと乾いた風と土埃が、僕に必要なものだ。

めずらしく早起きをした朝は思った以上に空気が冷たくて、冷蔵庫から出しかけたヨーグルトを元に戻した。 いつものように入れたはずの紅茶はひどく熱くて、唇が少しひりひりした。 空はまだ暗く、今日の天気はわからない。

雨が続く。 読んでない本が溜まって、本棚から溢れそうになっている。 マウスが壊れた。 人と話すのが嫌になる。 最近のできごと。 踊ること、踊り続けること。 足を動かし続け、ステップを踏み続けること。 たぶんそれが必要なこと。

まもなく夜が明ける。 眠っていた羊も起き出すだろう。 僕は交代するようにベッドに入る。