2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧
朝の5時前に目が覚める。 雨なのか霧なのか、外は煙っている。 若い男たちが歩いて行く。 そのうしろを女たちがついて行く。 金曜の夜と土曜の朝のあいだの真空のような時間。
誰もが上ばかり向いている日に、僕はじっと下を見つめて過ごしている。 下になにかあるじゃないけれど。
明け方にひどい雨の音で目が覚める。 もう一度眠ろうとしてみたけれど、もうベッドは心地よい場所ではなかった。 仕方なく起き出して紅茶を入れる。 雨は止む気配をみせない。 突然、旅に出たいと思う。
二十四の春に僕は羅針盤を失った。それは唯一無二のものというわけではなかったし、なくなれば僕の人生が変わってしまうという性格のものでもなかった。にも関わらず、それを失うことによって僕は少なからず混乱し、同じ場所をぐるぐると歩き回っているよう…
分類とは命名することであり、命名とは支配することである。そして支配とは、結局メリーゴーランドの馬に跨って前を走る馬の尻尾を追いかけるということなのだ。
空がきれいなところに住みたい。
地図のことからから始めなければならない。地図を描くにはふたつの方法がある。自分を世界の中心におくこと、そうしないこと。どちらをとるにせよ、僕たちは地図を描かなければならない。それが最初にやるべきことだ。
40分ほどてくてくと歩く。 歩くことと書くことは似ている。 積み重ねれば着実に前に進んでいく。 もちろん行く先にいいものが待っているとは限らない。
ときどき思い出したように雨が降った。 僕たちは軒先で雨宿りをした。 猫が何匹も狭い路地を横切った。 猫たちはちらりと僕たちを眺め、無関心なふりをしてゆっくりと歩いて行った。 僕たちはよそ者だった。
朝から夕方までずっと缶詰になって資料とスクリーンと人の顔を眺め続け、話を聞き続ける。 ひどく疲れる。
ときどき僕は自分が手紙を書きたがっているのか、それとも郵便を配達したいのかわからなくなって、ひどく混乱した。しかしどんなに混乱しようと、僕らは結局のところどちらかひとつを選ばなければならない。郵便配達人は自分で書いた手紙を誰かに届けること…
島の行き止まりにあるのは、やたらいすの多い漁村だった。
相変わらずポラデジのピント合わせに苦労する。