2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

no title

露で濡れた草は僕の足元にまとわりついた。 青い匂いがした。

ナザレの女たち

ホテルの下では女たちが駐車場をさがす観光客を当てにして、客引きをしている。 僕はそんな女たちをぼーっと眺めていた。

no title

教会の外では雨が降り続いている。

lisboa

リスボンはゆっくりと老いている。 かつての貴族が目に見えない速度で没落するときに屋敷の活気が少しずつ失われ見えないところにゆっくりと埃が堆積していくように、街の何かが失われていく。 しかしそれは嫌な朽ち方ではない。

オレンジの木の下で

女たちはオレンジの木の下で止むことのないおしゃべりをする。 僕はカフェの固いいすに座ってビールを飲みながらそれを見ている。 ときどき彼女たちを通りかかった知り合いに手を振り、挨拶をし、そしてまたおしゃべりに戻る。 僕はただそれを見ている。 ビ…

100211

たとえば壁にかけられた色の褪せたコピーのシャガールとか、あるいはもう誰も泳ぐことのない秋のプールに浮いた枯れ葉とか、昨日の夢に出てきたのはそんなものばかりだったような気がするけれど、僕はちゃんと規則正しく起きて朝食をとってるし、日の光もた…

100209

本を一冊だけ持って − 携帯電話やら家の鍵やらUSBメモリやら、そんなものはすべてどっかに放り出して − たまたま見つけたベンチに座ってぼんやりと一日を過ごしたい、というのがこのごろの僕のささやかな夢だ。

100208

墓地を風が吹き抜ける。

あお

ギリシャ正教の教会であおに染まる。

100206

ソファで眠ってしまって、目が覚めたのは夜中の2時過ぎだった。 少し前に電話のベルが一度だけ鳴って切れた。 ある時期、電話をかけて最初の呼び出し音を聞いただけで、相手が不在かどうかわかったことがあった。 まだ携帯電話なんてなかった時代のことだ。…

100205

明け方まで仕事をしていたせいですんなりと起きれない。 仕事場に行くと2人の女の子が待っていて、僕はすっかり約束を忘れていたことに気づく。 コーヒーを入れながら、少しぼんやりする。 もっと大事なものを忘れている気がする。