薄暗いビジネスホテルの部屋は気が滅入る。狭さはほとんど気にならないけれど暗さはどうにもいけない。 仕事をする気にも本を読む気にもなれず、ベッドの上で壁にもたれてぼうっとする。 いつの間にか眠っていたようで、首が痛くて目がさめる。 空気を入れ替…
この冬何度目かの雪が降る。 窓の外に重なっていく厚みを見ながら遠い空を思い出す。 時が過ぎていく。
レイトショーには、僕のほかには2人の客がいるだけだった。 平日の夜で、外はひどい雨が降っていた。 ポップコーン売り場の女の子は暇を持てましてくるくるまわる機械を眺めていた。ソファに座った僕も同じようにいつまでもまわり続ける機械を眺めていた。…
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