2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

070831

その犬は一度も僕のことを見なかったし、女が顔を上げることもなかった。 僕がただ彼らを見ていただけだった。

070830

夕方4時、石垣の陰に座って僕は誰もいない通りを眺めていた。 太陽はまだ輝きを失う気配を見せない。

ナザレ

漁師町の夜は、まだ始まったばかりだった。

ジャスミンの香りのする夜の出来事

そのしみはまるでドーナツを食べ過ぎてすっかり太ってしまったミッキーマウスみたいな形をしていたが、もちろんそんな楽しいものではなかった。部屋には動くものは何もなかった。まるですべてが無声映画の中の出来事のように感じられた。どこにも字幕が出て…

靴屋的混沌

ポルトガルの靴屋のディスプレイはカオスに満ちている。 一足ずつではなく、片方のみを飾るのは、狭いスペースでより多くの靴を見せようという目的なのだろう。 だがその並べ方にはまったく規則性というものが見あたらない。履き物の種類も色も向きも統一性…