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嵐が来るのよ、と彼女は言った。

天気予報にはそんなことは出ていない。僕がそう言うと、彼女はしばらく黙って僕の顔を眺めたあとに、あなた何もわかってないのねと言った。

たしかに僕は何もわかっていないのかもしれなかった。仕方なくビールを飲もうとしたが、グラスにはもう泡すらも残ってなかった。