2014-03-03 約束 日々 聖堂と半月/パリ すでに日はほとんど暮れていて、きれいな半月が顔を覗かせていた。 月が出ていることにしばらく気づかずにいた。下ばかり向いて歩いていたせいだ。 月を見て、ずっとむかしに約束したきり果たせていないことを思い出す。 約束した人のことはもうあまり覚えていない。 覚えているのは約束した日に月が出ていたことだけだ。