梅雨の終わりの電話

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教会/パリ

遠くで雷が鳴っていて、梅雨の終わりを感じる夜。稲光がカーテンの隙間から部屋を照らし出した瞬間に携帯が震えて僕は驚く。か細い声は雨の音にかき消されそうで、携帯電話を強く握りしめる。伝えたいことも聞きたいこともたくさんあったけれど、時間はあまりにも短い。

まだ夜はたくさん残っていて、僕はウイスキーを取り出して古い映画をぼんやり眺めている。

雷はいつのまにか消えていたけれど、明け方にはひどい雨が降った。何かの塊をぶつけるようなひどい雨だった。