2014-03-27 匂い 日々 草原/アイルランド 4時までウィスキーを飲んでいたせいで、朝の光を浴びても僕の頭はぼんやりしていた。 紅茶を入れながら昨日のことを思い出そうとしたけれど、僕の記憶は橋の架かっていない島々のようなものだった。 椅子に掛けた上着がずり落ちそうになっている。昨日帰ってきた時のままだ。そのバランスがモダンアートみたいだなんて思いながら上着を手に取ると、そこからは彼女の部屋の匂いがした。 それは、うさぎが走り回っている草原のような香りだった。