海のそばに建つ古い建物に入る。 床も階段の手すりも黒く光っていて、古い木と本の匂いがする。あるいは、それは堆積した古い時間が放つ匂いなのかもしれない。 誰もいない空間に西日が差し込み、背表紙が照らされる範囲が少しずつ広がっていくのを僕はじっ…
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