風邪

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 目が覚めるのと同時に風邪をひいてしまったのがわかった。鼻の奥の方に嫌なにおいが漂っていたし、喉に何かが張り付いているようだった。紅茶を飲んでも熱いシャワーを浴びてもそれは取れず、諦めて気づかないふりをすることにした。

午前中の仕事が終わるまではうまくごまかせていたけれど、新幹線に乗った途端に20歳くらい歳を取ってしまったような気になった。乗り換えを入れると、これから5時間以上も移動しなければならない。そんなに長いあいだ狭い車両に閉じ込められるのは考えただけでもうんざりすることだったが、すぐにだるさの方が勝って眠ってしまった。

それから目が覚めるごとに体は熱っぽくなっていった。むかし理科の授業で習った100m下るごとに規則正しく気温が上がっていく法則でも働いてるみたいだった。そんなことを思いついて、またすぐに眠くなってしまう。その繰り返しで2時間ほどが過ぎた。

乗り換えるために降りた駅は人が多くて5メートルおきに誰かにぶつかりそうになる。たぶん僕がふらついてるんだろう。

唐突に、昔のことを思い出す。どこかで同じことがあった気がする。それがデジャヴなのか薄れた記憶なのかすらよくわからなくて頭がぐるぐるする。

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