夜明けの雨

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明け方に雨が降った。
その音で目が覚めた。
運河に雨粒がいくつもの波紋を作っているのがホテルの部屋から見えた。
身体を遠いところに運べば何かが変わりそうな気がしたけれど、そう簡単にもいかない。
昨日の夕暮れ、運河を見ながらそんなことを考えていたことを思い出した。
雨は30分ほどで止んだ。
僕は窓を閉めてベッドに戻った。
今ではこの小さなベッドだけが僕の居場所だ。