嘘つき

いつものように仕事場に行き、いつものようにパソコンを開く。

そしていつものようにスケジュールを開き予定を確認して、そこに休みという文字を見つけ、それがもう必要なくなった情報だということがうまく理解できず、僕はしばらくぼんやりする。

いくつかの果たせなかった約束を思い出す。果たせた約束とどちらの数が多いかなんて仕方ないことを考えてみたりする。

カレンダーからひとつずつ予定を消していきながら、冬の海を思う。そして春の海を思う。

朝の天気予報は雨が降ると言っていた。だけど窓の外に広がる空は薄日が差している。みんな嘘つきだと思う。そして、僕は嘘つきだと思う。

もう一度果たせなかった約束を思う。言えなかった言葉を思う。

夢が叶えばいいなと思う。