図書館
Y.
気がつくと僕はいつの間にか居眠りをしていたようだった。空はやけに眩しく青く輝いていて、目を開けるのが辛かった。細めた目をそのまま閉じているうちに、テラス席を吹き抜ける風が心地よくてまた眠ってしまった。
次に目が覚めると、テーブルの上には何冊もの絵本が積まれていた。空は相変わらず青く輝いている。ひどく長い時間眠っていた気もするし、ほんの数秒だけ目を閉じていただけのようにも感じた。コーヒーに手を伸ばしたけれど、カップは空っぽで香りだけが残っていた。
僕はまだうまく目が開けられずにいた。眩しいのは空だけではなかった。絵本を真剣に読む茶色い瞳を眺める僕の傍らを贅沢な時間がゆっくりと流れていった。