僕の土曜日夕方5時

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 例えば土曜日の夕方にFMを流しっぱなしにした部屋で、ひとりでベッドに寝ころび、たまにサイドテーブルに置いたアイスティなんかを飲みながら、読んでも読んでも終わりそうにないほど長い小説を読んだりするのがたまらなく好きで、それは僕がどれだけ歳をとろうと、世の中がどう変わろうと、春だろうと夏だろうと秋だろうと冬だろうと、窓の外の天気がどうだろうと、そんなことにはまったく関係なくぜったい変わらないと思っていたのに、ただ女の子をひとり好きになっただけでそんな土曜の夕方の過ごし方がどことなくもの足りなく感じるようになるなんて、ラジオの音楽も読みかけの本も何となく気の抜けたビールのように思えるなんて、10分おきに電話にばかり目がいくなんて、そんなこと想像してもみなかったんだ。