薄闇のなかで

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夕方に少し眠る。

薄闇の中で目を覚まし、目に入るものに現実感が伴わないまましばらくぼんやりする。色彩が失われたモノクローム世界で暖かさだけが感じられる。

暖かさのなかで、また少しうとうとする。再び起きても、世界がここで完結しているような気分は残ったままだ。
夢を見ていたような気がする。海の夢だ。空が朱から紫に変わり、そして群青に変わっていくころの海を僕は眺めていた。ひどく懐かしい感じがした。懐かしい海。いつかまたあそこに行こうと、すっかり暗くなってしまった部屋で思う。