2014-04-03 夜の自転車 日々 港町/アイルランド自転車に乗るの自体久しぶりだし、ましてや二人乗りなんてずっと遠い昔の記憶しかない。たぶん白亜紀くらい遠い昔だ。あと1時間と少しで日付が変わるころ。空には薄い月が輝いていた。闇は黒い絹でできたように柔らかかった。夜風はどこまでも優しかった。背中に暖かさを感じながら、僕はペダルを漕いだ。なんだか春に抱かれているようだった。