雨の降る夜に

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難破船/アイルランド

 

雨の音で目を覚ます。

意識がはっきりするにつれて、ベランダを叩く雨音と車が水たまりをはねる音が はっきりと聞こえてくる。

起き上がってキッチンに行き、お茶をグラスに注いで、ベッドに戻る。時計を見ると1時半だった。もう一度眠ろうとするが、眠気はすでに僕のもとを離れてしまった。仕方なく、暗闇の中で雨音を聞く。雨は一定のリズムで降り続いている。

ふと、僕から失われた眠気を誰かが受け取ってくれればいいと思う。うまく朝まで眠って心地よい目覚めを迎えてくれればいいと思いながら、僕は暗闇で目をこらす。

雨の夜は嫌いじゃない。ただ少し寂しくなるだけだ。