100206


ソファで眠ってしまって、目が覚めたのは夜中の2時過ぎだった。
少し前に電話のベルが一度だけ鳴って切れた。
 
ある時期、電話をかけて最初の呼び出し音を聞いただけで、相手が不在かどうかわかったことがあった。
まだ携帯電話なんてなかった時代のことだ。
その感覚が外れたことは一度もなかった。
最初のトゥルルル…という音が終わると同時に、この電話の向こうには誰もいないということがわかった。
そうすると何度鳴らしても結局受話器が取られることはなかった。
その感覚は3ヶ月ほどで失われてしまったけれど、あれはいったいなんだったんだろう。