夜のソフトクリーム


飲み始めたのは5時半くらいだったから、11時過ぎにはもういい感じで酔っていた。
友人夫婦はタクシーに乗り、僕たちは少しだけ街を歩いた。
いつもよりずっと人通りが多く、別の国の知らない街にいるような気がした。
僕たちは商店街の入口にある小さなフルーツショップでソフトクリームを買い、店の前のベンチに座って舐めた。
少しばかり肌寒くて、そんな時間にソフトクリームを食べてる人間なんてほかにいなかったけれど、少し酔った体には気持ちよかった。
学校に通いはじめたという彼女は少し疲れて見えたけれど、そのことを指摘すると気のせいじゃない?と否定した。
たしかに、疲れているのは僕の方かもしれなかった。