二十四の春に僕は羅針盤を失った。それは唯一無二のものというわけではなかったし、なくなれば僕の人生が変わってしまうという性格のものでもなかった。にも関わらず、それを失うことによって僕は少なからず混乱し、同じ場所をぐるぐると歩き回っているような気分になり、そしてその帰結としてひどく疲れ果てることになった。睡眠時間は長くなったが、眠りは浅くなった。人々や物事やその他のたいていのものと距離を取るようになった。ビールと本と孤独だけが常に僕のそばにあった。