090302

 陽の当たる坂道というのがどこの街にもあって、それは海から続く明るい白い道だったり、猫同士がすれ違うのもやっとのような細い路地だったり、途中で3回ほど休む必要がある急な階段だったりするけれど、いずれにせよ街にはそうした存在が不可欠である。しかし悲しむべきことに、われわれは往々にしてその存在に気づかない。