081201

 できることならば灯台の近くで暮したいと思う。夜、暗闇の中で目をさます。喉は渇いていないし、トイレに行きたいわけでもない。朝はまだ遠い。意識は奇妙にはっきりしている。波の音が聞こえる。波の音しか聞こえない。僕はベッドに入ったまま灯台のことを考える。起きあがってカーテンの隙間から覗けば、定期的に海に光を投げかける灯台を見ることができる。だけど、僕は冷たい空気の中でシーツにくるまったまま灯台のことを思うだけだ。