070322

 むかしの人々は夢は外からやってくると考えていた。僕が彼女の夢を見るのは僕が意識下で彼女のことを思っているからではなく、彼女が僕のことを強く思っているからだ、と。そういう意味では夢は一枚の葉書だ。内容は受け手ではなく、送り手が決める。楽しい出来事が記されているかもしれないし、知りたくなかった想いが綴られているかもしれない。届いたものを実際にみるまでは、誰も中身を知ることはできない。受け取りを拒否することもできない。われわれにできることはしっかりとそれを受け止めるか、あるいは忘却の彼方に追いやってしまうことだけだ。僕は昨日夢をみた。ひどく悲しい夢だった。