冬、午後、日曜

冷たい風のなかを歩き疲れたころ、アイリッシュ・パブを見つけた。腕時計は2時半を指していて、僕はひどく腹が減っていた。
運が良いことにまだランチ・サービスは続いていて、僕はシェパーズ・パイを頼む。ギネスをハーフ・パイントだけ頼もうかと少し迷ったけれど、外の冷たい空気を思い出してやめる。
店には他の客は誰もおらず、僕はただ黙々と食べ続ける。食事が終わると、紅茶を飲みながらかばんからひっぱり出した小説の続きを読んだ。とても長い小説で、どれだけ読んでも永遠に続きそうな気がした。冬の日曜日の午後にはふさわしい小説だった。