2006-09-22 027 日々 「花屋になりたかったの、ずっと昔のことだけどね」と彼女は言った。そして、「ありふれた夢でしょう」と笑った。 「もう花屋にはなりたくない?」と僕は訊ねた。 「今はね」と彼女は言った。 「どうして?」 「どうしてかな」と彼女は言い、少し考えてから「よく知らなかったのよ、たぶん」と言った。 「知らなかった?何を?」 「いろんなことを。なにもかも」と彼女は言った。