020505


 降りつづいた雨はようやく止んだ。僕はこの何日間か雨の音を聞きながらいくつもの段ボール箱を開け、埃を払い、本を並べ、スピーカーをつなぎ、机を動かしては位置を確かめ、そしてスパゲティを茹で続けてた。太陽の光もきれいな風も久しぶりだった。

 部屋の壁紙はオリーブグリーンを薄くしたようなちょっとくすんだ緑色で、中央から両側に傾斜した天井も同じ壁紙で統一されている。木製のドアに塗られたペンキはもっと深い緑だ。木製のブラインドの隙間から入って来る西日はちょっときついけれど、それを除けば希望どおりの部屋だった。

 窓からは、少し離れたスーパーマーケットの駐車場が見える。高いところから見下ろす人や車はいつ見たってぜんまい仕掛けのおもちゃだ。いつ見ても飽きることはない。

 そして、部屋の整理はいつまでたっても終わらない。