050328

 僕はビールを飲みながら夜の遊園地のことを考える。すべての遊具は止まり、死んでしまったように動かない。ときどき風が吹いて木々を揺らす以外に、音を立てるものはない。夜の遊園地ではコウモリさえ眠っている。それでも、やがて朝が来る。太陽の光が少しずつ延びて、最初に観覧車のガラスを輝かせ、コースターのレールを鈍く光らせ、メリーゴーランドの屋根についた朝露をきらめかせる。開園の一時間前にはすべての電源が入れられ、悪い魔女にかけられた魔法はとかれる。今や、色と音は我々の手に取り戻されたのだ。気づくと目の前にはビールの缶が並び、僕はすっかり酔っている。僕の、夜の遊園地は、もう消えてしまった。