050117

 三日前にその人は死んだ。連絡が来たとき僕はまだ仕事中で、ばたばたといろんなことを片づけなければならなかった。部屋を出ると、外は雨だった。
 それから二日の間に通夜だとか葬式だとか火葬だとか挨拶だとか、そういうことがすべてすまされた。僕はその間中ずっと違和感を感じていた。人が完全に消えてしまうということがよくわからなかった。
 菩提寺を出ると高い空が広がっていた。できたばかりの飛行機雲がこれから距離を伸ばそうとしていた。その空を見た瞬間に、ああ、と思った。ああ、こんな天気のいい日にも人は死ぬんだ、それが死なんだ、と。