031207

 ときどき、買った古本のページからいろんなものが出てくることがあって、たとえばそれは暑中見舞いのリストだったり、高校の模擬試験の成績表だったり、あるいはよくわからない記号の羅列だったりする。そのたびに僕は本をページをめくるのをやめて、かつてこの本の持ち主だった人物のことを考えることになる。はたして彼(彼女)が出すべき暑中見舞いは無事に届いたのだろうか。先週買った中古のCDの歌詞カードにはこんなことが書かれていた。

  美和たんの夏の友
  さわやかな風とともに応援します
  それではアッチョンプリケ
  ピース

 きっと夏のある日に彼女はこのCDを受け取ったのだろう。もうとっくに過ぎてしまった季節。思い出はいつだってモノクロームだ。